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アレルギー性鼻炎は本邦のみならず世界的にも今後も増加が懸念されている疾患の一つです。中でも通年性(一年中)アレルギー性鼻炎では、原因としてコナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニの2種の室内塵(ちり)ダニが重要とされています。そのため欧州を中心にこれら由来のアレルゲン抽出物を合有する皮下投与(注射)によるアレルゲン免疫療法が約100年以上前から定着していました。ただ頻度が低いもののアナフィラキシー等の重篤な副作用の可能性がありました。注射は増量期は週1~2回来院や注射の痛みがありましたが、副作用の少ない内服薬(アシテアダニ舌下剤)が開発されました。
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アレルゲン免疫療法(減感作療法)の特徴
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アレルギーの原因となる抗原を体内に接種し,数年かけて抗原に対する反応を弱めていく治療法で,アレルギーの治癒または長期寛解が期待できます。
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WHO見解書でのアレルゲン免疫療法の特徴
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①アレルギー性鼻炎の治療法であるが,アレルギー性の結膜炎,喘息にも効果がある。
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②治療には専門的な知識・技能が必要である。
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③標準化抗原を使用することが望ましい。
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④抗原量を漸増し,5~20 μgの主要アレルゲン含有の維持量を目指す。
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⑤EBMはないが,治療期間は3年から5年がよいとされている。
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⑥アナフィラキシーなどの副作用の可能性がある。
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アレルゲンを調節しながら投与することで,アレルゲンに対する免疫応答性を制御する治療法
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薬物治療は対症療法に過ぎないのに対し,アレルゲン免疫療法の効果は治療終了後も長期に持続する(長期寛解が期待出来る)
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• | アレルゲン免疫療法では,新たな抗原感作の抑制効果,喘息等,アレルギー疾患の発症抑制効果が報告されている (アレルギーマーチの抑制) |
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1998年から2008年の10年間で国民の約25%にのぼることがわかりました。花粉シーズンでもないのに、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが続く方はダニによるアレルギー性鼻炎かもしれません。アレルギーを起こす物質の種類によって「通年性(一年中)アレルギー性鼻炎」と「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」に別けられます。「通年性アレルギー性鼻炎」の主な原因は、家のチリやダニです。これらのアレルゲンは1年中あるため、症状も年間を通して見られます。スギは30~50代にピークがあるのに対し、ダニアレルギーは10~20代の若い人にピークが見られました。
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花粉症と同じように主にくしゃみ、鼻水、鼻ずまりなどの鼻の症状や目のかゆみ、が出ます。これらの症状は特に朝起きた時や気温の変化などにより起こることが多いといわれています。また花粉症に比べて喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音)、呼吸困難などの喘息やアトピー性皮膚炎を合併する割合が高く、のどや皮膚の症状を伴うことが多くあります。
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①しっかり調べる血液検査(IgE抗体・アレルゲン検査{ダニ・スギ・ヒノキ・イヌネコ・食べ物・カビなど30項目以上}・好酸球)(結果は約5日で感染ランクもわかる)
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②20分でわかる指先からの簡易式検査{ヤケヒョウヒダニ・ゴキブリ・ネコイヌ・スギ・カモガヤ・ブタクサ・ヨモギ}
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があります。自分が何のアレルギーかを知っておくと安心です。処方にはダニアレルギーであることが必要です。
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ダニの診断をする(血液・簡易検査・以前のデータ・問診にて症状や家族歴や既往症)
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錠剤を1日1回舌下投与(2分間保持)する。5分間はうがい及び飲食を控える。
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1日目は100ミリ1錠(1回目のみ院内にて舌下、ごくまれに1回目にアナフィラキシーショックを起こす可能性があるため)、2日目100ミリ2錠(2日目以降は自宅で)、3日目300ミリ1錠、4日目以降維持期300ミリ1錠。
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WHOのPosition Paperでは「治療期間は3~5年がよい」とされている。
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通院期間は新薬のため2週間に1度。
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アレルゲンの回避は不可欠です。ダニ及びダニの死骸や糞をできるだけ吸入しないよう、掃除や洗濯等、日常生活における回避の重要性を理解する。
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掃除機がけは、吸引部をゆっくりと動かし、1畳当たり30秒以上の時間をかけ、週に2回以上行う。
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布張りのソファー、カーペット、畳はできるだけやめる。
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ベットのマット、布団、枕にダニを通さないカバーをかける。
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布団は週に2回以上干す。困難な時は室内干しや布団乾燥機で布団の湿気を減らす。週に1回以上掃除機をかける。
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部屋の湿度を50%、室温を20~25℃に保つよう努力する。
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フローリングなどのホコリの立ちやすい場所は、拭き掃除の後に掃除機をかける。
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• | シーツ、布団カバーは週1回以上洗濯する。 |
• | 注意:治療するにあたり、ダニアレルギーであることが条件です。まれにアナフィラキシーショックを起こすことがあるため最初の30分間は院内で様子を見させていただきます。 |
2018/05/05 更新2
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