平成27年4月7日毎日新聞に、アルツハイマー病の治療薬と市販の漢方薬「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」を併用することで、患者の認知機能低下や病気に特徴的なうつ状態に回復傾向がみられたと、慶応大などのチームが日本老年精神医学会の英文誌に発表するとのことです。アルツハイマー病患者の脳では、情報をやり取りするための神経細胞の突起を包む「ミエリン」と呼ばれるさやが失われることが解っており、アルツハイマー病マウスに人参養栄湯を投与したところ、失われたミエリンが再生されることに気づいたとのことです。
人参養栄湯は病後の体力低下や疲労回復などに使われます。自ら意思を決められる中程度に進行した患者さんに、2011年から2年間、平均年齢75歳の、アリセプト5㎎と人参養栄湯7.5gを患者12人に投与した群と、アリセプトのみの患者11人とを、症状の変化を比較し、その結果、6カ月後には併用した患者群ではアリセプトのみの患者に比べ、うつ状態を示す数値が改善し、その効果は2年続き、また、記憶や判断力などの認知機能もほぼ同様の効果があったとのことです。今までの薬を飲んでいた患者さんが悪化していき、手立てがなかった方にも朗報であり、あきらめるのではなく、いろいろチャレンジし、改善を期待していきたいです。当院では、症状をみて、漢方も処方いたします。
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