静岡県・静岡市・葵区 内科 消化器内科 リハビリテーション科 往診 在宅診療 八木医院

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ノロウイルスについて(その場でわかる診断キットあり)

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ノロウイルス

 

<特徴>

  • 幅広い年齢層に、感染性胃腸炎を起こすウイルス
  • 年間を通じて発生するが、特に冬季に多発
  • 10~100個という少量で感染が起こる。(患者の便や嘔吐物には1グラムあたり100万から10億個もの大量のウイルスが含まれる。)
  • 口から経口感染が原因
  • 原因は生ガキ汚染された物を口にすると感染
  • 潜伏期:24~48時間
 
  • 症状:下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、発熱などで、通常3日以内に回復するが、ウイルスは感染してから1週間程度(長い場合は1ヶ月)便中に排泄される。

 

  • 高齢者では、吐物が誤って気管に入り誤嚥性肺炎を起こしたり、のどに詰まって窒息することがある。

 

  • 感染しても症状が出ない人もいるが、便中にはウイルスが排泄されている。
 

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対応方法

  • 速やかに嘔吐物(吐いたものや便)を消毒し除去する。
  • 他の微生物などと比べると熱に強く、85℃で1分以上の加熱が必要。逆性石けんやアルコールの消毒効果がないため、塩素系漂白剤の次亜塩素酸ナトリウム(ミルトンなど)にて消毒を。
  • 手すり・ドアノブ・蛇口・トイレの取手・リモコン・車いすの車輪や杖・などしっかり消毒する。
  • みんなでつつく鍋料理や、手で食べる食べ物(お菓子や果物やおにぎりなど)をさけたり、同じタオルを使わない。
  • 排泄物のついた服は個別で洗濯する。
  • ふき残しが乾燥すると空気に舞い吸い込んでしまうのでしっかりふき取る(空気感染)。
  • 手洗い・マスク・空気の入れ換えを。

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治療

  • 下痢の時は脱水になり、電解質異常が起こりやすく、水ではなくNa・K・Clの電解質の入った経口補水液(OS-1)を。(ポカリスエットもよいが糖が多すぎなので血糖上昇に注意必要)。
  • 下痢はウイルスを排菌しようとしているため、基本的には下痢を無理にとめないほうが良い。
  • 脱水には十分な水分や点滴加療を。
  • 嘔吐誤嚥性肺炎リスクあり、熱や喘鳴や呼吸苦に注意を。肺炎疑ったときは抗生物質を。嘔吐には吐き気止め(内服・点滴・坐薬)や胃薬の内服を。
  • ノロウイルスにて合併症により死亡例あり。ただ感染しただけでは死亡しない。
  • 下痢・嘔吐・熱などによる脱水や肺炎や電解質異常により、症状が悪化し死亡するケースがあるため、しっかりとした補液や抗生剤や内服(整腸剤・胃薬・漢方薬)にて適正に治療を。
 
  • 疑わしい方や調べたい方は当院ではノロウイルス診断キット(便にて)がありますので、調べられます。(65歳以上は保険適応可能・それ以外は診察代+3000円)
  • 家族内感染も多いため、しっかりと検査し、職場、特に飲食店や学校や医療関係の方は拡散させると問題になるため検査をお勧めします。
  • しっかりとした内服薬(漢方薬も)を症状に合わせて処方します。
  • 仕事復帰は下痢が治まってから、2日後をお勧めします。
  • 飲食店の方は診断キットにて陰性(菌がいなくなった)になった時です。
  • 診断書作成も行えます。
 

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