静岡県・三島市

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逆流性食道炎

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三島駅前消化器・肝臓内科クリニック
東海林俊之

逆流性食道炎とは?

主に胃酸の逆流により、食道粘膜障害を来す病態です。
広義には、胃食道逆流症(GERD)と総称します。
油っぽいものをよく食べる方やストレスの多い方、太っている方、腰の曲がった方などに多く見られる病気です。

どれくらいの人が患っているの?

逆流性食道炎の有病率は、おおよそ10%前後と言われており、年々増加しています。
食生活の変化による胃酸過多やピロリ菌感染率の低下、ピロリ菌除菌の普及などにより、有病率が増加していると考えられています。

症状は?

胸やけや酸っぱいものや苦いものが込み上がってくる(呑酸症状)が典型的な症状です。
その他に、食べ物のつっかえ感、ゲップが多い、のどの違和感などを感じることも多いです。
胸痛や背中の痛みを訴える方もいらっしゃいます。

原因は?

食生活の悪化(過食、高たんぱく食、高脂肪食、カフェイン)、ストレス、アルコール、喫煙、ベルトや下着による腹部の締め付け、前かがみの姿勢、肥満、加齢、ピロリ菌感染の有無などが原因として関与していると考えられています。

診断は?

症状から逆流性食道炎が疑われた場合は、内視鏡検査(胃カメラ)を受けることが肝要です。
内視鏡所見から食道炎の程度、重症度を評価します。
また、食道がんなどの悪性の病気がないかを確認することは重要です。
その他の検査としては、食道内圧測定検査や食道内pHモニタリング検査が行われることもあります。

治療は?

胃酸の分泌を抑える薬を内服するのが一般的です。
典型的な逆流性食道炎では、胃酸分泌抑制薬の内服により症状は改善し、食道粘膜障害の改善が得られます。
その他には、消化管運動機能改善薬や漢方薬を使用することもあります。

ご自身で注意できる点は、
暴飲暴食や刺激の強い嗜好品は控える。
炭酸飲料、ビールなどの発泡飲料も控えめにする。
食後すぐに横にならない。2時間は体を起こしておく。
ベルトなどによる腹部のしめつけは控えめにする。
太り気味の方は減量する。
などです。できることから気を付けてみましょう。

逆流性食道炎を放置すると・・

胃酸の逆流が長期に続くと、バレット食道という病態を引き起こします。
バレット食道は、特殊な食道がん(バレット腺がん)の発生母地となり、食道がんのリスクが高まります。
また、食道粘膜障害が強くなると、食道狭窄を引き起こし、食べ物が通りにくくなってしまうことがあります。出血することもあります。

難治性の症状は・・

胃酸分泌抑制薬による治療で、大半の方は症状が改善しますが、中には逆流感や食べ物がつかえる感じ、のどや食道の違和感などの症状が続く方がいらっしゃいます。
そのような方は、胃酸以外の逆流や機能性食道障害、食道知覚過敏といった病態が潜んでいることがあります。

長引く咳(慢性咳嗽)の原因かも・・?

咽頭まで逆流した胃酸が刺激となり、咳が続いてしまうことがあります。
したがって、長引く咳症状でお悩みの方は、逆流性食道炎の可能性を考慮する必要があります。

逆流性食道炎かもって思ったら・・

がまん・放置せず、かかりつけ医やお近くの消化器科専門医に相談してみましょう。

 

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