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骨粗しょう症

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骨粗しょう症とは?

骨粗しょう症

最新の機械で全身(腰の骨と太もものつけ根)の骨密度を計測し、骨代謝マーカーの値により患者さん一人一人に合った治療を行い、
それらの数値の経過をみていく参加型の治療を展開しています

骨強度が低下し、骨折しやすくなる骨の病気です。
加齢によるだけものではなく骨の病気です。
(骨の病気=骨粗鬆症、糖の病気=糖尿病、血圧の病気=高血圧)
骨粗しょう症になると、骨の中がスカスカの状態になり、骨がもろくなってしまいます。その結果、わずかな衝撃でも骨折をしやすくなります。
背骨がもろくなると、圧迫骨折がおこりやすくなり、背中が曲がり、腰の曲がった老人様になります。
姿勢が悪くなると、視線が低くなり、足が上がらない、転倒しやすくなり、骨折するという負の連鎖が生じてしまいます。
問題は、自覚症状の乏しい病気であるため、背中が丸くなる、身長が縮むといった症状は徐々に起こるためなかなか病気であると気がつきません。したがって、気がついたときには病状がかなり進行していたということも少なくありません。
骨粗しょう症は、がんや脳卒中、心筋梗塞のようにすぐに生命をおびやかす病気ではありませんが、骨粗しょう症による骨折から、要介護状態になる人は少なくありません。その状態になると、QOL(生活の質)は著しく低下してしまいます。
生涯を健康で充実した状態をより長く継続するには、血圧やコレステロール値を気にするように骨強度にも気をかけ、定期的に検診をする必要があります。
骨粗しょう症も他の疾患同様、早期発見、早期治療が重要なのです。

 

骨粗しょう症の原因

骨も他の細胞と同じように新陳代謝(骨のリモデリング)します。古くなった骨はメンテナンスされて新しい骨へと生まれ変わっているのです。
骨のリモデリングは、古くなった骨を溶かす破骨細胞と、新しい骨をつくる骨芽細胞の働きによって営まれています。
破骨細胞による骨吸収が数週間続いたあと、数か月にわたって骨芽細胞による骨形成が行われ、溶けた部分に新しい骨が埋められていきます。
特に女性は閉経後、女性ホルモンの分泌量が急速に減少します。すると骨吸収が異常に高まり、骨形成が追いつかなくなります。つまり、骨吸収によって溶けてしまった部分を新しい骨で埋めることが間に合わなくなり、スカスカの状態の骨になってしまうのです。
男性に比べて圧倒的に女性に多く、その数は3倍ともいわれています。
骨粗鬆症は、加齢とともに増えるほか、糖尿病や慢性腎臓病などの生活習慣病によっても増えることが分かっています。

 

骨折を誘発しやすい因子

骨折を誘発しやすい因子として以下が挙げられます。

□ 女性、高齢者
男性よりも女性のほうが骨折リスクが高い
同じ骨密度の場合、年齢が高いほど骨折リスクが高い。

□ 骨密度が低い
骨密度が低いと骨折リスクが高い。

□ 過去に骨折したことがある
男女とも、過去に骨折したことがあると将来の骨折リスクは2倍。
すでに椎体骨折がある場合は、将来の椎体骨折は4倍に高まる。

□ たばこを吸っている
喫煙者は非喫煙者に比べて骨密度が低いだけでなく、同じ骨密度でも現在喫煙している人の骨折リスクは非喫煙者の約1.3~1.8倍高い。

□ 過度のアルコール摂取
1日3単位(ビール1,500ml)以上飲酒している人は、骨折リスクが1.4~1.7倍高い。

□ ステロイド剤を使用
リウマチなどの治療でステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)を長期使用することにより骨折リスクは約2~4倍に高まる。

□ 過去に家族が骨折したことがある
親が大腿骨骨折をしていると骨折リスクは2.3倍になる。
その他の骨折では1.2~1.5倍高い。

□ 運動不足
適度な運動(活発な身体活動、日常生活活動)は、骨粗しょう症による骨折リスクを20~30%、最大50%予防する効果がある。

□ 転倒しやすい
大腿骨近位部骨折はほとんどが転倒によって起こる。

□ 骨吸収マーカーが高い値

 

骨粗症しょう症の検査

以下のようなものがあります。

身長測定
25歳のときの身長と比べどのくらい縮んでいるかは、骨粗しょう症の指標になります。

レントゲン検査
主に背骨(胸椎や腰椎)のX線写真を撮り、骨折や変形の有無を確認します。

骨密度検査
骨の強さを判定するための尺度の1つです。当院ではDXA法を用いています。
DXA法とは、エネルギーの低い2種類のX線を使って測定。全身のほとんどの骨を測ることができます。
腰の骨(腰椎)や太もものつけ根(大腿骨近位部)の骨密度を正確に計測できます。

血液検査
骨代謝マーカーという検査により、骨の新陳代謝の速度を知ることができます。骨吸収を示す骨代謝マーカーの高い人は骨密度の低下速度が速いことから、骨密度の値にかかわらず骨折の危険性が高くなっています。

 

骨粗しょう症の治療

発病には、加齢や閉経以外にも食事や運動の習慣などが深く関わっています。そのため骨の生活習慣病とも呼ばれ、食事療法や運動療法も骨粗しょう症の予防には欠かせません。
しかし、骨粗しょう症と診断された場合には薬が治療の中心となります。

治療薬は以下に大きく分けられます。

活性型ビタミンD3製剤
食事で摂取したカルシウムの腸管からの吸収を増す働きがあります。さらに骨形成と骨吸収のバランスも調整します。

ビタミンK2製剤
骨密度を著しく増加させませんが、骨形成を促進する作用があり骨折の予防効果が認められています。

・女性ホルモン製剤(エストロゲン)当院不採用
女性ホルモンの減少に起因した骨粗しょう症に有効です。閉経期のさまざまな更年期症状を軽くし、併せて骨粗しょう症を治療する目的で用いられます。

骨吸収抑制剤 ビスフォスフォネート製剤(ビス剤)
骨吸収を抑制することにより骨形成を促し、骨密度を増やす作用があります。
一番多く使用されている薬です。
ビス剤は腸で吸収され、すぐに骨に届きます。そして破骨細胞に作用し、過剰な骨吸収を抑えるのです。骨吸収がゆるやかになると、骨形成が追いついて新しい骨がきちんと埋め込まれ、骨密度の高い骨が出来上がります。
現在、週1回服用と約月1回製剤(錠剤・点滴投与)があります。

骨吸収抑制剤 ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤(デノスマブ)
骨吸収を促すRANKLという物質の働きを阻害することで、骨量を改善する薬剤です。
6か月に1回の皮下注射ですが、継続が必須の治療となります。


SERM(サーム:塩酸ラロキシフェン)
骨に対しホルモン的な作用があり、骨密度を増加させますが、骨以外の臓器(乳房や子宮など)には影響を与えません

カルシトニン製剤(注射薬)
骨吸収を抑制する注射薬ですが、強い鎮痛作用も認められています。骨粗しょう症に伴う背中や腰の痛みに対して用いられます。

骨形成促進剤 テリパラチド(副甲状腺ホルモン)(注射薬)
新しい骨をつくる骨芽細胞を活性化させ、骨強度を高める作用があります。
現在、1日1回1週間に2回患者さんが自分で注射をする皮下注射剤と、週1回医療機関で皮下注射するタイプとがあります。

骨形成促進剤+骨吸収抑制剤 ロモゾマブ(遺伝子組換え)注射
厳密には骨形成促進剤に分類されますが、この薬剤の最大の特徴として、骨形成促進作用と骨吸収抑制作用を両方を有するという点があります。
骨形成を抑制するスクレロスチンという物質の働きを抑え、骨形成を促進し、骨量の減少を抑え、骨密度を増やして骨折を予防するといった働きがあります。
1か月に1回医療機関で皮下注射を一度に2回


他には、食事療法や運動療法などがあり、これらを組み合わせる事で治療していきます。

 

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