『ちょっと心配』『なんだか気になる』ということはそのままにしておかないで、医師に相談してください。医師と相談しながらよりよい治療方針をたてて快適な生活をしましょう。
わかりやすい症状は・・・ | ・口が渇いてよくお水を飲みたくなる ・トイレが近くなる ・手足がしびれる感じがする |
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『隠れ糖尿病』とは? | 一般的に病院や健康診断で糖尿病かどうかを診断する場合、空腹時に採血して、血糖値を測定します。しかし、空腹時の血糖値が高くなるのは、糖尿病がかなり進行した状態になってからです。 糖尿病初期は、空腹時の血糖値は正常で、食後だけ高くなる「食後高血糖」が多く、通常の検査では見逃されてしまう場合があります。特に、日本人にはこのタイプが多く、「自分は大丈夫」と思っていても注意が必要です。 |
初期の危険サイン! | 糖尿病は、全身の血管が障害されていく血管病で、さまざまな合併症を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気の原因になります。また、糖尿病患者の寿命は健康な人に比べて10年以上も短いとの報告もあります。 恐ろしい病気である糖尿病にならないためにも、初期の危険サインである「食後高血糖」を見逃さないことが大切なのです。 |
HbA1cを知っていますか? (血液の健康度を表す数値)
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HbA1cは血液検査によって判る数値で、糖尿病の診断に使われます。ご飯やパンなど、炭水化物が消化されてできるブドウ糖は、体を動かすエネルギー源として血液によって全身に運ばれます。血液中のブドウ糖の濃さをあらわす血糖値は、検査前の食事や運動で数値が大きく変わります。しかし、HbA1cはそういうことがなく、過去1~2ヶ月間の平均的な血糖値がわかる信頼性の高い数値です。糖尿病であるかどうかだけでなく、糖尿病がよくなっているかどうかの判断にも使えます。 |
HbA1cの表記が変わりました
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HbA1cの表記は2013年4月に全面的に変わりました。これまでの数値(JDS値といいます)は日本国内だけで使われていましたが、国際化に合わせて、世界的に広く使われている国際標準値(NGSP値といいます)を使うことになったわけです。普通はJDS値に「0.4」を加えるとNGSP値になります。 4月以降の検査結果を見て、以前に比べて「数値が上がってしまった」と勘違いしないようにしましょう。 |
HbA1cの値で 注意するのは5.6(NGSP値から)
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皆さんがHbA1cの数値を目にするのは、健康診断や人間ドックを受けたときでしょう。 HbA1cの数値だけでは判断できませんが、数値が5.6以上あると、将来糖尿病になる危険性があります。HbA1cの数値が高いということは、体全体が“ブドウ糖漬け”になっているという困った状態です。 そんなことにならないためにも、定期的に検診を受け、HbA1cの数値が気になるときは、かかりつけの医師に早めに相談しましょう。 |
糖尿病の三大合併症 |
網膜症:失明に至るケースもあります。 腎症:腎移植や人工透析が必要になることもあります。 神経障害 :壊疽で足を切断することもあります。 他に、脳卒中、心筋梗塞、下肢の動脈硬化などがあげられます。 |
息切れがありませんか? 『気づきにくい COPD(慢性閉塞性肺疾患)』 | 息切れ(呼吸困難)は、肺や心臓の病気でもっとも多い症状の1つです。息が苦しくなるのは、「酸素が足りませんよ」「全身に酸素を送るのに心臓の働きが追いつきませんよ」など、体が発信している警告です。 したがって、息切れがあるときは体の検査をすることが必要です。息切れを起こす病気は、肺が最も多く、次が心臓、その他には貧血や感染症などがあるますが、体力が落ちた時にも起こります。 |
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気づくための2つのポイント | 同年代の人と比べてどうかということが息切れを見つけるポイントの一つになります。 もう1つの大事なポイントは、階段を昇るとき、急ぎ足で歩いたときなど、動いた時の状態で息切れがあるかないかを見ることです。 |
自分をチェックしてください | 特にたばこをすったことのある人は、気づかないうちにCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、具体的には肺気腫、慢性気管支炎という病気にかかっている可能性があるます。気になる息切れがあったら、かかりつけの医師を受診しましょう。 |
疲れやすくイライラする? | 更年期障害の症状は、肩こりがもっとも多く、疲れやすい、頭痛、のぼせ(ホットフラッシュ)、腰痛、汗をかきやすい、眠れない、イライラ感、動悸、気分がしずむ、めまい、などと続きます。女性の場合、50歳前後の閉経の頃に現れることが多く、月経があっても多くの場合は不順になっています。 |
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でも更年期障害とは限らないんです | 更年期障害は、卵巣の機能がしだいに低下してくることに加え、年をとるについて起こる体調や精神面での変化、家族や周囲の環境などがからみあって起こります。 これらの症状は更年期障害に特有な症状ではなく、他の原因で現れることもあります。たとえば、頭痛は脳血管障害などの頭部の病気、腰椎は椎間板ヘルニアなどの脊椎の病気や膵炎などの消化器の病気で見られることもあります。更年期障害以外の病気でないことがわかって、はじめて更年期障害と診断されるというわけです。 |
つらい時には治療が必要ですよ | 更年期障害は、程度の差はありますが、多くの女性にみられるもので、日常生活でつらいと感じるような時には治療が必要です。薬による治療のほかに心理療法や運動療法が有効な場合もあります。減ってきた女性ホルモンを補うホルモン補充療法はたいへん有効ですが、一方で服薬にともなう危険性もあります。 つらいと思ったら、まず、かかりつけの医師に相談しましょう。 |
逆流性食道炎って? | 食べ物は歯でかまれて細かくされた後、食道を通って胃に送られます。胃は胃酸によって食べ物を溶かして消化するため、強い酸性状態になっていますが、食道と胃の境目は、ふだんは筋肉の働きで胃酸が食道に上がってこないように閉じられています。 しかし、このしくみは、食生活や生活習慣、肥満、ストレスなどの影響で働きにくくなることがあります。すると胃酸が食道に逆流して食道を荒らし、びらんや潰瘍ができてしまいます。これが逆流性食道炎です。 |
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こんなサインがありませんか? | みぞおちから胸の下あたりまでに焼け付くような痛みを感じたら、それは胸やけの可能性が高く、酸っぱい液や苦い液体が胃から上がってくるようなゲップは、胃酸が食道まで上がってきた逆流性食道炎の症状と考えられます。 |
胃食道逆流症というのもあるんです | なお、食道の炎症はなくても胸やけなどの症状がある場合は、胃食道逆流症と呼ばれています。 |
治療はできるのだけれど・・・ | 逆流性食道炎にはよい治療法があります。「胸やけ」だけでなく「胃もたれ」や「胃痛」が1週間に1回以上起こるときには、一度かかりつけの医師に相談してみましょう。ほとんどの方は処方された薬をのむことで、数日の間に症状がよくなります。ただ問題なのは、薬の内服をやめた多くの方に、再び「胸やけ」や「胃もたれ」の症状が出てきてしまうことです。 |
再発しない為に | 再発を防ぐには、食事習慣や生活習慣を改善していくことが大切です。逆流性食道炎は太っている人に多く、脂肪分を多くとりすぎるとおこりやすいので、まず、太っている人はやせましょう。そして、一度に大量に食べない、脂っこいものを食べ過ぎない、寝るときに頭側を高くするなどの注意で、再発を減らすことができます。また、食後にチューインガムを噛むことは、唾液の分微津量が増え、食道が洗浄・中和されるので、症状が軽くなることがあります。試してみてください。 |
「はしか」とあなどってはいけません | 「はしか」は子供の軽い病気と思うかもしれません。しかし、はしか=麻疹は重症の感染症です。 39℃前後の高熱が7~10日ほど続き、肺炎や脳炎を合併することがあります。重い後遺症が残ったり、時には命にかかわることもあります。麻疹ウイルスそのものに効く薬はないため、今のところ有効な治療法がありません。 感染力はインフルエンザの何倍も強く、免疫が不十分だと、患者さんと同じ部屋に一緒にいるだけでうつってしまいます。 |
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予防方法は予防接種です | 予防方法はただ1つ、予防接種で免疫をつけておくことです。 第1期 生後12ヶ月以上24ヶ月未満 第2期 小学校入学前1年間の幼児(年度内に6歳) 第3期 中学1年生(年度内に13歳) |
風邪をこじらせると | ほとんどの風邪はウイルス感染が原因で、多くは自然に治ります。しかし3~4日してものどの痛みや熱、咳や痰、鼻汁などの症状が悪化した場合は、ウイルス感染後に細菌等に二次感染した“かぜをこじらせた”状態で、子供や高齢者によく見られます。 このような症状では肺炎などをおこしかねないため、かぜでは通常使われない抗菌薬(抗生物質)が使われることがあります。 |
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耐性菌が増えてきたのは | ここ10年くらいの間にペニシリン耐性肺炎球菌による肺炎がとても増えてきました。これは一例ですが、初めはよく効いた抗菌薬に対して、抵抗力を次第に身につけた病原菌が「耐性菌」となったためと考えられています。 |
抗菌薬は適切に使いましょう | 耐性菌は、さらに強力な抗菌薬が開発されると抑えられますが、しばらくすると、またその抗菌薬に耐性のある菌が現れます。 抗菌薬は、適切に使えば大変に効果があり、感染症の治療に欠かせない大切な薬ですが、安易に使いすぎると耐性菌増加の原因になりかねません。 これ以上耐性菌を増やさないために、患者さんは自分の判断で服用をやめたり、別の病気の時に飲んだりしないようにしてください。 かかりつけの医師の指示をきちんと守りましょう。 |
原因は小さな傷がほとんどですしっかり洗って、傷はふさがないで! | 庭いじりでけがをした、野球をしていてスパイクで蹴られた、古釘を踏んだ、このような小さな傷が破傷風をひきおこします。破傷風菌は、あなたの家の庭にも学校のグラウンドにもいます。日本中の土の中にいるのです。 破傷風菌は空気が大嫌いです。小さな砂粒などを残したまま傷をふさいでしまうと、破傷風菌は活動をはじめます。しっかり洗って異物を残さないことと、傷を開いたままにして空気にさらしておくことが大切です。 |
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症状はどんなふうでしょう | 破傷風菌に感染すると、けがをしてから1週間ぐらいで、 1.口があかない 2.首がつっぱる 3.ものが飲み込みにくい といった症状があらわれます。そのような症状が1つでも出たら、急いで医師の診察を受けましょう。 |
治療は? | 毒素を中和する治療を行いますが、いったん発症すると死亡率の高い病気です。 |
予防接種が大切です | 破傷風は予防できる病気です。ところが、小学6年生の時に受けた三種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)の効き目は5年から10年なのです。 そして、40歳以上の人はそもそも予防接種を受けていないので、けがをしたら破傷風トキソイド(ワクチンの一種)の予防接種を受けましょう。 |