子宮頚癌ワクチン |
子宮頚癌ワクチンには2種類あります
現在、日本で使用できる子宮頚癌ワクチンは、2種類あります。16と18型の予防効果を持つ2価ワクチン(サーバリックス)と、その2つに加え、尖圭コンジローマの原因になる6と11型も予防できる4価ワクチン(ガーダシル)の2つです。
4価ワクチンは尖圭コンジローマも予防できる
4価ワクチンは、子宮頚癌の16と18型だけでなく、6と11型で発生する尖圭コンジローマも将来予防できることが利点です。単純に考えれば、2価より4価の方がより多くのHPV(ヒトパピローマウィルス)をブロックしてくれるので有用です。実際、世界のシェアの80%以上は4価ワクチンが使われていたそうです。しかし、尖圭コンジローマは海外では比較的多い病気ですが、日本ではかなり少ない病気です。いったんかかってしまうと、治療しても再発することも多くやっかいな病気ですが、その稀な病気のためにワクチンが必要かどうかは微妙です。
2価ワクチンは効果が長続きするかも
2価ワクチンは、そのアジュバント(抗体を高く長続きさせる物質)に工夫がされており、4価ワクチンより16と18型の抗体価を長続きさせることがわかりました。少なくともこのワクチンが20年以上効くことはわかっていますが、その先はまだわかっていません。諸外国が先に導入しているので、将来的には結果が判明しますが、もしかすると20年後にもう一度(4回目の)ワクチンが必要な時代が来るかもしれません。2価ワクチンで抗体価が高ければ、20年後に4回目の注射が必要ないということも否定はできません。
しかし、科学者よってはその差はわずかで五十歩百歩という人もいます。また、WHOではどちらのワクチンでも、充分将来的にも子宮頚癌は予防できると考えています。
将来は9価ワクチンが登場
現在、アメリカで9価ワクチンが開発され治験中です。これは子宮頚癌のハイリスクである16と18以外の型も入っているので、これが一番多くの子宮頚癌を予防できます。治験がうまくいけば、今後はこれが主流になると思われます。ただ、日本で使用できるまではまだまだ何年(10年くらい?)もかかると思われます。
以上の点で、2価と4価ワクチンのどちらがいいかは、現在のところわかっていません。将来、時代が解決することでしょう。大事なことはどちらのワクチンでも子宮頚癌を予防できるということです。ですから、どちらでもいいので、今(学生)のうちにワクチンを受けましょう。