インフルエンザは、A型またはB型のインフルエンザウィルスが呼吸器に感染することにより起こる病気です。感染後1-2日の潜伏期の後に38度以上の高熱で突然発症し、頭痛・倦怠感・関節痛・筋肉痛などの強い全身症状を示します。38度以上の高熱が2-3日続くことが特徴で、数日間寝込まざるを得ないことになりますが、通常は1週間以内に治ります。しかし、小児や老人では命に直結する例も珍しくありません。インフルエンザウィルスは伝染力が強く、集中して感染することと、寒い時期しか生きていけず冬にしか発生しない特徴があります。
インフルエンザワクチンは、もちろんそのインフルエンザを予防するためのものです。しかし、インフルエンザウィルスはいろんな型がありますので、全てを網羅することはできないのです。世界中の感染状況をみて、今年感染が起きそうな型を予想し作られています。以前と比べますと、そのあたる確率はかなり高いものになっているそうです。ですが、ワクチンをうてば必ず発症を予防できるわけではありません。型がちがえば発症してしまうわけです。しかし、ワクチンにより、発症率が下がるだけでなくウィルスによる死亡数を減らし、入院率も下げることがわかっています。すなわち、かかっても軽症で済むわけです。65歳以上の方のデータでは、発症を45%阻止し、死亡率を80%下げたことが報告されています 。
65歳以上の方は、過去にインフルエンザに感染したか接触した可能性が高く、1回のみの接種で十分であるという研究報告があります。13歳未満ではウィルスに接触した経験が少なく2回必要です。14歳から64歳は微妙で、糖尿病や呼吸器・循環器の慢性疾患を持っていて、抵抗力が低いと思われる方は2回が望ましいと思われますし、逆に去年もワクチンをうったという方は、1回でもいいかもしれません。2回うつ人は4週間後に2回目をうつのがよいとされています。 ワクチンの効果は接種後2週間で発現し、5ヶ月持続します。ウィルスは寒い時期しか生きていけないことから、インフルエンザが猛威をふるうのは12月から3月までの間と考えられますので、年1回の方は11月後半に、年2回の方は11月前半にワクチンを受けるのが良いでしょう。
インフルエンザは、小児や老人にとっては命にかかわることさえあります。家族の1人が感染すれば、全員に感染する危険があります。65歳以上の方は補助金がでますが、65歳未満の方も積極的に受けることをお奨めします。