・関節リウマチとは
関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されて関節の機能が損なわれます。適切な治療を行わないと関節が変形してしまう病気です。
腫れや激しい痛みを伴い、関節を動かさなくても痛みが生じるのが、他の関節の病気と異なる点です。
手足の関節で起こりやすく、左右の関節で同時に症状が生じやすいことも特徴です。
その他にも発熱や疲れやすい、食欲がないなどの全身症状が生じることがあります。
・免疫系が自分自身の組織を攻撃することで起こる
関節リウマチで生じる関節の腫れと痛みは、免疫の働きに異常が生じたために起こると考えられます。そもそも免疫は、外部から体内に侵入してきた細菌やウイルスなどを攻撃して破壊し、それらを排除する働きを担っています。
しかし、免疫に異常が生じると、誤って自分自身の細胞や組織を攻撃してしまいます。それにより炎症が起こり、関節の腫れや痛みとなって現れてきます。
その炎症が続くと、関節の周囲を取り囲んでいる滑膜が腫れ上がり、さらに炎症が悪化して、骨や軟骨を破壊していきます。
・炎症の悪化を引き起こすのはIL-6やTNFαなどのサイトカイン
体内で炎症が生じたときには、サイトカインという物質が過剰に分泌され、それが炎症を悪化させます。
炎症を悪化させるサイトカインにはIL-6(インターロイキン6)や
TNFα(ティーエヌエフ・アルファ)などがあります。
最近、関節リウマチの治療で使用されるようになった生物学的製剤は、IL-6やTNFαといったサイトカインの働きを抑え、炎症を鎮静化させることができます。
当院でも2020年現在、約80名の方が生物学的製剤による治療を受けております。また治療費(薬剤費)が高額になるケースもありますのでお薬の減量や投与間隔の延長を積極的に行っていきます。
・30~50歳代の女性に多く発症する
関節リウマチが発症するピーク年齢は30~50歳代で、男性よりも女性の方が多く発症します。(男女比 1:4)
また、最近では60歳以降に発症する方が増えています。
・早期に発見、早期に治療すれば関節破壊の進行を抑制できる
関節リウマチは、関節が破壊され、変形して動かなくなってしまう病気です。
最近の研究では、関節破壊は、発症後の早期から進行することが明らかになりました。早期に発見して適切な治療を行えば、症状をコントロールして関節破壊が進行するのを防ぐことができます。
関節リウマチではないかと思ったら、早めにリウマチ専門医の診察を受けることをお勧めします。
当院では日本リウマチ学会認定・日本専門医機構認定リウマチ専門医が関節リウマチの診療を行っています。
現在は早期診断を行い、適切な治療を行えば寛解(治ってしまったような状態)を目指せます。
関節リウマチがご心配な患者さんは怖がらずに受診して下さい。
当院では2020年8月現在、県南地区を中心に約250名の関節リウマチ患者さんの治療を行っております。