日本におけるインフルエンザの発症者数は、その年の流行レベルによって毎年変動しますが、例年、およそ1000万人前後と言われています。
かぜは1年を通してみられるのに対し、インフルエンザは季節性を示します。かぜは発症後の経過が緩やかで、発熱も軽度であり、くしゃみや喉の痛み、鼻水・鼻づまりなどの症状が中心です。
インフルエンザは高熱を伴って急激に発症し、悪寒や全身倦怠感、関節痛、筋肉痛、頭痛などの全身症状が強く現れます。かぜに比べ、「高熱」と「全身症状」が特徴です。インフルエンザでは肺炎や脳炎(インフルエンザ脳症)などの重篤な合併症を引き起こすことがありますが、かぜではこのようなことはまれです。
インフルエンザウイルス感染患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスを吸い込む「飛沫(ひまつ)感染」が主です。
インフルエンザウイルスは、呼吸とともに鼻腔や咽頭から体内に入り込み、気道粘膜に吸着して細胞内に侵入し、上気道から下気道、肺で急激に増殖していきます。
季節性インフルエンザの半数以上を0~9歳の小児が占めています。これに対し、季節性インフルエンザによる“死亡”は、大部分が65歳以上の高齢者です。
インフルエンザの診断は、「問診」でインフルエンザの症状を確認するとともに、インフルエンザウイルスの有無や型を調べる「検査」によって、かぜ(普通感冒)などの疾患との鑑別診断を行います。
インフルエンザ迅速診断キットを用いた場合は10~20分間という短時間で簡単に診断ができます。
感染後早期から、抗インフルエンザウイルス薬の投与を開始することが非常に重要です。症状を緩和する「対症療法」として解熱鎮痛薬の投与や、黄色痰など細菌の二次感染が疑われる場合に抗菌薬などの投与があります。
※小中高生や大学生がインフルエンザを発症した場合、学校の出席停止期間について
発症後5日間を経過し、かつ解熱後2日間(幼稚園児は発症後5日間を経過し、かつ解熱後3日間)となっております。
出席証明書が必要となることがありますので、その時は受診をお願いします。
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