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内科 消化器科(胃腸科)

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【流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)】

◎流行性耳下腺炎 (ムンプス)

※耳下腺の腫脹:コクサッキー・パラインフルエンザ・化膿性耳下腺炎・唾液腺結石等
 ◇再感染率:約5%、軽症に経過、合併症・両側腫脹等少ない。
 ◇ワクチン有効率:90% 前後だろう。
  ムンプスの既往のある成人にムンプスワクチンを接種しても、局所の発
  赤を起こすことはあるが特に問題ない。追加免疫効果が得られる。

※症状と合併症 (頻度%)
 耳下腺炎 (100.0)、発熱 (81.1)、全身倦怠 (67.I)、嚥下困難 (66.2)、食思不振 (63.5)、
 頭痛 (61.8)、耳痛 (44.6)、咽頭痛 (41.1)、すっぱい食物摂取での痛み (33.3)、易刺激性 (31.9)、
 悪心 (22.7)、嘔吐 (8.0)、腹痛 (22.3)、下痢 (6.7)、全身の痛み (17.1)、関節痛 (16.2)
 睾丸炎・12歳以上の男児 (9.1)
 乳腺炎・12歳以上の女児 (7.7)
 卵巣炎・12歳以上の女児 (3.8)
 膵臓炎 (2.7)。

※睾丸炎は耳下腺腫脹が治まった頃に来る様ですがなぜか?

※睾丸炎時の治療法は?、ステロイドを使ってもいいのか?
 通常、感染後ウイルスは気道粘膜で増殖し、その後ウイルス血症を起こし
 全身に散布されると、教科書には書かれている。それで、唾液腺腫脹と他の合併症との時間的な関係はいろいろ。
 記載のあるのは、髄膜炎との関係です。二つの報告がある。
 唾液腺腫大前 19%、同時 23%、腫脹後 1 ~ 4日 41%、7日以降 4.9%。
 唾液腺腫大前 7.7%、同時 6.5%、最多は腫脹後 3 ~ 5日 59.8%。

 Nelson (小児科の教科書) には、
 Orchitis should be treated with local support and bed rest.と書かれている。

※ウイルス学的・血清学的診断方法
 髄液中などのムンプスウイルス RNA を RT-PCR 法で検出できる。
 普通のウイルス分離 (唾液、尿、髄液)。
 酵素抗体法のムンプス IgM[EIA] は急性期にやることもある。
 ムンプス IgG[EIA]、HI をペア血清でやったりする。

※顎下腺腫脹と顎下リンパ節の腫脹を理学的に区別するいい方法わりあい、分かりにくい。
 耳下腺は耳介の延長線上で、前後および後方に 2等分されます。この 2等分は腫脹しても変わらないといわれている (リンパなら(後方に)偏る) 。
 さらに、両側性にくれば、リンパよりも耳下腺らしいということ。
 耳下腺の開孔部 (Stensen) の発赤、腫脹がどうか (膿が出れば化膿性)。
 酸っぱい物で疼痛が増強すれば、唾液腺がやられてる。

※ムンプス難聴診断基準
 1. 確実例
  (1). 耳下腺・顎下腺腫脹など臨床的に明らかなムンプス症例で、腫脹出現 4日前より
     出現後 18日以内に発症した急性高度難聴の症例 (この場合、必ずしも血清学的検査は必要ではない)
  (2). 臨床的にはムンプスが明らかでない症例で、急性高度難聴発症直後から 2 ~ 3週間後にかけて血清ムンプス抗体価が有意の上昇を示した症例
  注1:(1) においては、はじめの腫脹側からの日をいう
  注2:(2) において有意とは、同時に、同一キットを用いて測定して
     4 倍以上になったものをいう
  注3:難聴の程度は必ずしも高度でない症例もある

 2. 準確実例
   急性高度難聴発症後 3か月以内にムンプス IgM 抗体が検出された症例

 3. 参考例
   臨床的にムンプスによる難聴と考えられた症例
   注1:家族・友人にムンプス罹患があった症例など
   注2:確実例 (1) における日数と差のあった症例

※ムンプス難聴は、流行性耳下腺炎の合併症のひとつで、一側性のものが多いそうです。症状は難聴ですが、電話が聞こえない、ささやき遊びのときに見つかったなど。耳鳴、めまいも関連の症状のようです。髄膜炎がおこってからというわけではなく、必ずしも関係はない。
 発症時期は「確実例」にあるように、「腫脹出現 4日前より出現後 18日
 以内に発症」と。「参考例」の注2:は、難聴の発症時期なのか、発見時期なのか。
 つまり、乳幼児などで、見落としの可能性がある。