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【進化するインフルエンザウイルス】(平成24年1月分)
外来の異物で最大の脅威はウイルスである。特にインフルエンザウイルスは、身近にいることと、毒性や感染力が強いため、脅威なのです。
ウイルスが体内に入ると、2日ほどで突然の発熱が起こる。38~42℃台の高熱になることが多く、震え、関節の痛み、倦怠感などを伴い、重症感が強い。回復にも1週間以上かかることもあります。
人の細胞表面にはN -アセチルノイラミン酸という物質が有り、ウイルスはこれにつかまりながら、細胞内に潜り込みます。細胞内で無数に分裂したウイルスは、再び飛び出していくが、自分自身もこの物質に身につけてしまうため、そのままでは出て行くことはできない。このため、ウイルスは、進化の過程でこの物質を切断する酵素を作る能力を身につけたのである。インフルエンザでの特効薬として有名になったタミフルには、ウイルスが産生するこの酵素をブロックする作用がある。従って、ウイルス感染があった後、細胞内から飛び出す前(48時間以内)ニ服用すれば、症状が軽くすむことになる。
その後、タミフルを過剰に宣伝したりして、乱用が加速した。その結果、ウイルスがタミフルに対する耐性を身につけ、タミフル耐性の強毒なインフルエンザウイルスが出現したのである。