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内科 消化器科(胃腸科) 心療内科

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  • 【熱中症対策】 (平成23年7月)

【熱中症対策】 (平成23年7月)

治療に関しては、冷水にぶち込むというテレビ番組があったのだが、米国家庭医学会雑誌には以下のように書かれている。

 

【熱疲労】

  • まず行うべきは冷所への移動

  • 熱卒中との区別を行う

  • 皮膚浸潤による蒸泄冷却

  • 電解質状態と核温度測定モニタリング

  • 脱水顕著な場合、低ナトリウム、意識状態、中枢神経系興奮を有している場合は必ず医療機関へ

  • ナトリウムを含むORSは軽度脱水にて有用

  • 生食によるナトリウム補充は徐々に行うべきで、血中ナトリウムを約2.5mEq/L/時間以上にならないように緩徐におこない、central pontine myelinolysisに注意。

  • 熱疲労の症状は2~3時間でしばしば自然回復する。回復遅れる場合はやはり医療機関へ搬送し、誤診無きようにすべき

 

【熱中症】

  • 高熱状態をまず適切に除去することが治療のcornerstone

  • 疑うべき場合は、冷所、陰のあるところへ、そして鑑別診断できる医療機関へ迅速に搬送すること

  • 迅速かつ有効なクーリングが重要であり、搬送中からクーリングを行うべきである。

    体外クーリング:evaporate method/immersionクーリング

    この「evaporative method」とは、15℃のミストを患者の皮膚にスプレーし、一方で体外へ45℃の暖かい空気をファンで当てる。冷却速度は1分当たり0.31℃とする

    「immersion クーリング」は氷浴、もしくはアイスパックを腋・股間、首、頭に当てて、クーリング・ブランケットを用いるものであるが、「evaporative method」に比べ効率が悪い。マッサージにより回復するが、皮膚温度が30℃を下回ると末梢血管収縮、震えが出現する。さらに氷浴は患者のアクセス困難となり、ダイビング反射などのリスクがある。しかし、皮膚露出困難などの文化がある場合は適切な場合がある。

    体内冷却は、胃、膀胱、肛門への冷水潅流は侵襲製が少ない。腹腔・胸腔潅流が極端な場合行われることがある。心肺バイパスも稀だが有効な方法。

  • 生化学などの採血を行い判断を行う。

  • 熱卒中の場合、薬物の効果は少ない。

    ベンゾジアゼピン系筋弛緩薬、chlorpromazineなどの向精神薬が震えや痙攣を抑えるために用いられることがあるが、臨床的なトライアルは行われ てない。dantroleneは核温度を下げるためには無効。解熱剤は理論的に有効かもしれないが、評価されていない。一度38℃まで核体温が下がった ら、クーリングを中止し、厳格なモニタリングを行う。