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リンゴ病(伝染性紅斑)

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リンゴ病(伝染性紅斑)とは

「リンゴ病」は、正式には伝染性紅斑と呼ばれるウイルス性の発疹症です。頬がリンゴのように赤くなる特徴的な発疹からこの名前で呼ばれています。学童期の子どもに多く、春から初夏にかけて流行することが多いですが、年間を通じて散発的な感染も見られます。


原因・感染経路

  • 原因ウイルス:ヒトパルボウイルスB19
  • 感染経路
    • 主に飛沫感染(くしゃみや咳など)によって感染します。
    • また、接触感染(唾液のついたコップ、食器など)によっても感染する可能性があります。
  • 潜伏期間:10〜20日程度
  • 感染力の強い時期:特有の皮膚症状が出る1-2週間前に最も感染力が強くなります。発疹が出た後は、基本的に他人への感染力はありません。


症状

  • 初期症状:微熱、倦怠感、頭痛、鼻水などかぜに似た症状が数日続くことがあります。症状が出ない方も多いです。
  • 発疹:頬が赤くなり腕や脚にレース状・網目状と表現される淡い紅斑が現れます。発疹はかゆみを伴うことがありますが、数日から1週間程度で自然に消退します。


注意すべき合併症

  • 妊婦さんへの感染:胎児に感染すると胎児水腫を引き起こすリスクがあるため、妊娠中の方は注意が必要です。妊娠後期(妊娠28週以降)の感染はリスクが低いとされていますが、大人のパルボウイルス感染症は症状が出ないことも多いため、産科への相談もお考え下さい。
  • 特殊な貧血(溶結性貧血)のある方:パルボウイルスB19は赤血球の前駆細胞を障害するため、サラセミアや遺伝性球状赤血球症などのある方や免疫不全のある方では一過性の重症貧血を引き起こすことがあります。


対処・治療法

  • 特効薬やワクチンはありません。
  • 妊婦さんへの感染:胎児に感染すると胎児水腫を引き起こすリスクがあるため、妊娠中の方は注意が必要です。妊娠後期(妊娠28週以降)の感染はリスクが低いとされていますが、大人のパルボウイルス感染症は症状が出ないことも多いため、産科への相談もお考え下さい。
  • 対症療法が中心です
  • 発熱やかゆみが強い場合には解熱鎮痛薬や抗ヒスタミン薬を使用することがあります。
  •  通常は自然に回復しますので、安静と水分補給を心がけてください。


予防・感染対策

  • ワクチンや特効薬はないため、予防には手洗い・咳エチケットが基本です。
  • 発疹が出た時点では感染力はほとんどありませんが、その1‐2週間前に他者に感染させている可能性があります。
  • 妊婦さんや基礎疾患のある方と接触する機会がある場合には、事前に医師にご相談ください


登園・登校の目安

  • 発疹が出ていても、全身状態が良ければ登園・登校は可能とされています。
  • 発疹出現後は他人への感染力がほとんどないとされています。
  • 園や学校の判断・規則が別にある場合は従ってください。

 


医療機関の受診タイミング
以下のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめいたします。
 • 顔色が悪く、貧血が疑われる(青白い、元気がない)
 • 高熱が続く
 • 妊娠中に感染の可能性がある場合
 • 基礎疾患があるお子さまで体調の悪化がみられる場合

    まとめ
    リンゴ病は、一般的には軽症で自然に治癒するウイルス性疾患です。頬と四肢のレース状の発疹が特徴的で、発疹が出た時点では感染力はほぼなくなっている点が特徴です。
    ただし、妊婦さんや基礎疾患のある方への感染は重篤な影響を及ぼす可能性があるため、感染拡大防止の注意が必要です。

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