舌下免疫療法について

スギ花粉症、ダニアレルギーへの舌下免疫療法

舌下免疫療法とは、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少しずつ体に投与して、アレルゲンを体に慣らしアレルギー反応を起こしにくくするアレルギー免疫療法の一つです。
日本ではダニアレルギーとスギ花粉症に対して治療が認められています。ただし、舌下免疫療法はどこでも治療を受けることができるのではなく、専門の講習を受け認定を受けた医療機関でした実施できません。
函南町の「函南平出クリニック」・三島市の「光ヶ丘小児科」では、舌下免疫療法の認定施設として認可を受けています。

■舌下免疫療法の特徴

・ダニとスギ花粉が原因のアレルギー性鼻炎について、体質から根本的に改善することが見込めます。

・体質が改善されたら治療を終了できる、「終わりのあるアレルギー治療」です。

・アレルギーの症状が完全に消失しなくても、使用するアレルギーのお薬の量を減らすことができたり、お薬の服用が必要な時間を短縮させることも期待できます。

・治療の導入時を除き、基本的に自宅での治療が可能です。

・健康保険適用で治療が可能です。

■こんな方に舌下免疫療法をおすすめしています

ダニアレルギー、スギ花粉症の方で

・5歳以上

・アレルギーの症状を抑える薬の副作用に困っている

・アレルギーの症状を抑える薬の効果が充分でない

・鼻水や鼻づまり、くしゃみが原因で、学業やスポーツに支障が出ている

・まだ若い（幼い）うちに、アレルギー体質を改善したい

■舌下免疫療法の進め方

(1)まず、患者さんの症状に対して舌下免疫療法が有効かどうかを診察と検査で判断します。アレルギー検査を受けたことがない方は、アレルギー検査をお受けいただきます。

(2)１週間ほどでアレルギー検査の結果が出ます。ここでアレルギー性鼻炎の原因がスギ花粉症、ダニアレルギーとわかった場合、舌下免疫療法を開始するかどうかご相談をさせていただきます。

(3)舌下免疫療法を開始する場合、初回のお薬投与はクリニック内で実施いたします。

舌の下にお薬（錠剤）をふくみ、1～2分間、口の中でお薬を溶かしたのち飲み込んでいただきます。その後5分間はうがいや飲食を控えていただきます。

初回投与時には軽微な副作用が起こることもありますが、万が一強い副作用が出た場合にはしかるべき処置が必要になります。副作用は投与後30分以内に起こることがほとんどですので、その間はクリニック内にて様子を見させていただきます。

(4)お薬は毎日服用していただきますが、2日目からはご自宅での服用が可能です。

その後、定期的に（月に1回程度）当院へご来院いただき、「正しくお薬を服用できているかどうか」「副作用など、治療継続にあたっての問題が起こっていないか」などを確認させていただきます。

■舌下免疫療法の注意点

・スギ花粉に対するアレルギー性鼻炎、ダニに対するアレルギー性鼻炎のみ、舌下免疫療法による治療が可能です。　（上記以外のアレルギーに関しては、舌下免疫療法が実施できません）

・5歳以上の患者さんにのみ、舌下免疫療法による治療を実施できます。

・スギ花粉症においては、スギ花粉が飛散している時期に舌下免疫療法を開始することができません。当院では、6～12月の間で治療開始を受け付けています。ダニアレルギーにおいては、一年中治療開始可能です。

・がん、免疫系の持病、気管支系の持病をお持ちの方には、舌下免疫療法の実施をお控えいただく場合がございます。

・アレルゲンを少しずつ体に慣らしていく治療のため、治療期間はおよそ3～5年と長くかかります。

※ただ、治療の途中段階でも「アレルギー性鼻炎の症状が軽くなった」という効果を実感されている患者さんが多くいらっしゃいます。

・極めてまれではありますが、アナフィラキシーショックなど重大な副作用が生じる可能性があります。このような強い副作用は、初回投与から30分以内に起こることがあります。そのため、院内で体調の変化を確認します。

■最後に

舌下免疫療法は、アレルゲンを含むお薬を服用する治療法ということで、抵抗を感じられる方もいらっしゃいますが、函南平出クリニックでは、アレルギー治療経験の豊富な医師が、患者さんお一人お一人の健康状態や体質、症状の重さに応じて舌下免疫療法をご案内しておりますので、安心してご相談ください。

お子さんのみならず、ご家族ご兄弟の治療も承っております。年中続く鼻水、鼻づまり、くしゃみにお悩みの方は、お気軽に当院へご相談ください。