熱性痙攣(けいれん)とは
熱性けいれんは、ひきつけともいい6か月~5歳頃のお子さんが急な発熱に伴って意識障害、けいれんを引き起こすことがある病気です。通常38度以上の発熱時で急激に体温が変化するときに起こり、そのうちの5割程度が熱性けいれんを繰り返しますが、成長に伴い6歳以降はほとんどがけいれんを起こさなくなります。日本では7~8%程度のお子さんにみられる病気で、その一部の方がてんかんの症状をもつといわれています。
熱性痙攣(けいれん)の原因
熱性けいれんの主な原因は、突発性発疹、夏風邪、インフルエンザなどの感染症にかかることで体温が急激に上がり、まだ発達していない脳神経細胞が体温の変化についていけないことがあげられます。また、熱性けいれんは遺伝的な病気であるともいわれており、両親や兄弟に子どもの頃同じように熱性けいれんの既往があることが多いです。
熱性痙攣(けいれん)の特徴
熱性けいれんは症状や発症が様々のため、「単純型」と「複雑型」の大きく2種類に分けられます。
「単純型」の特徴としては、
・けいれんの発作が15分以内でおさまる
・けいれんの症状が一度の発熱で24時間以内に1度しか繰り返さない
・左右対称の全身性のけいれんが出る
などがあげられます。けいれんの時間が15分以上、24時間以内に複数回けいれんの症状がみられる、局所的、半身のみなど非対称でけいれんの症状がみられる場合は「複雑型」のけいれんの可能性が高く、他の疾患を疑う必要があるため入院をして精密な検査を行います
熱性痙攣(けいれん)の症状
熱性けいれんの症状としては、熱性けいれんの症状が出たら、急に手足を固くして突っ張る、手足をぴくぴくさせる、その両方の症状が出るなどがあり、体全体に起こったり、半身のみや体の一部のみに起こったりします。また手足に力は入らずにだらーっとして意識がなくなることもあります。
熱性けいれんになると目は見開いて焦点が合わなかったり、左右のどちらかに偏ったりします。また呼吸が不十分な状態のため体中に酸素が行き届かず全身の色が悪くなり(チアノーゼ)、嘔吐や失禁を伴ったりすることもあります。そのため、体・顔を横向きにして唾液・吐しゃ物を誤嚥しないようにしましょう。
熱性痙攣(けいれん)時に絶対にやってはいけないこと
熱性けいれんが出た際に絶対にやってはいけないことは、舌をかまないように口の中に物を入れたり誤って指を入れないことです。口の中に入れたもので窒息したり、指がかまれる場合があります。また、顔色が悪いからといっていきないり人工呼吸をすることもやめましょう。
さいごに
熱性けいれんが起きた場合にはまずは保護者の方が落ち着いて、大きな声で名前を読んだり、体を揺すったりせず、発作の長さ、発作が左右対称に出ているかなどを観察するようにしてください。可能であれば顔、全身の様子がわかるような動画撮影ができるとよいです。発作が5分以上続く、けいれんが止まったが呼びかけても反応しない、発作を繰り返す場合はすぐに救急車を呼んで小児救急の受け入れがある医療機関を受診してください。
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