【整形外科・リウマチ科・リハビリテーション科】
当医院は、患者さまと同じ目線で、同じ立場に立った診療を目標とし、スタッフ一同気持ちよく治療を受けていただけるよう心がけています。
一般整形外科疾患はもとより、スポーツ障害や外傷に対しては、患部だけでなく全身の能力やバランスを重視し、治療から復帰まできめ細やかなリハビリテーションを行っています。
診療科目 | 整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科 |
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診療時間 | 午前 9:00~12:00 午後 14:00~18:00 |
休診日: 水曜日の午後、土曜日の午後、日曜日、祭日
受付時間: 午前8:30~11:45(土曜日のみ12:00まで)、午後14:00~17:30
受付時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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8:30~ 11:45 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ ~12:00 |
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14:00~ 17:30 |
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※薬局:院外処方
疾患の診断について
当院ではレントゲンにて骨の評価を行い、軟部組織の評価に超音波検査を導入しております。超音波検査は短時間で行え、軟部組織の情報を多く与えてくれます。これら検査を駆使して疾患の状態をわかりやすく説明しております。
超音波検査はさまざまな疾患に利用していますが、特に下記に示す疾患に利用しています。
1)肩周囲炎と肩腱板損傷 2)スポーツ障害(靭帯損傷、筋腱損傷、野球肘) 3)早期関節リウマチ 4)手根管症候群 5)軟部腫瘍 6)微小骨折など
超音波検査について質問などありましたら、気軽にご相談ください。
関節リウマチについて
関節リウマチは、進行すると関節を破壊し、機能障害を引き起こします。よって早期に発見することが重要となります。従来はレントゲンと採血検査で判断していましたが、上述した超音波検査を加えることで関節の炎症状態を画像で見ることができ、早期の治療に結びつけることが可能です。
腓腹筋損傷と血腫 血腫除去後
腓腹筋とヒラメ筋の間に黒い血腫がみられる(左)。
超音波画像をみながら穿刺し、血腫を除去した(右)。
関節リウマチによる手関節滑膜炎
手関節の骨(白の曲線)の直上に、関節滑膜炎を示す血流増加所見(カラー色)を認める。炎症が強いことを示す。
腋窩リンパ節炎
腫大した円形の腋窩リンパ節(左)と炎症を示す血流増加所見(右)。
神経を圧迫する軟部腫瘍(足根管症候群)
足関節内側にある黒い円形の腫瘍(ガングリオン)が直上の後脛骨神経を圧迫している。
肩関節周囲炎のレントゲン 超音波下での肩注射
正確な肩の注射を行うため、超音波を利用している。
肩の外側から注射針を刺入し、肩峰下滑液包内に薬剤を注入している。
肩腱板断裂
レントゲンでは見えない肩腱板の断裂像を示す。
腓骨(外くるぶし)の骨端線損傷
小児の骨成長の場である骨端線が損傷し、骨膜下に血腫を認める。
幼児股関節炎のレントゲンと 超音波画像
レントゲンに異常はないが、超音波検査にて関節軟骨と関節包の間に水腫を認める。以前はMRI検査をしていたが、30分かかるため大変であった。超音波検査は5分程度で行え、水腫まで明らかにみえるので大変有効な検査である。
手根管の正常な神経像 手根管症候群の神経圧迫像
正常な神経は幅が一定であるのに対し、手掌のしびれの原因となる手根管症候群の神経は圧迫部が超音波検査で確認できる。神経圧迫が強度な時は手術の適応となる。
正常な膝の内側側副靭帯像 膝の内側側副靭帯断裂像
正常な内側側副靭帯は一定の緊張がある像であるが、靭帯断裂像は大腿骨付着部で断裂部と波打つ像が確認できる(周囲の血腫もみられる)。
少年野球で投球過多による肘障害が問題になっています。ひどくなってから治療しても機能回復が難しいのが現状です。これを防止するためには早期発見が重要となります。早期の野球肘はレントゲンでは異常を見つけられません。そこで超音波検査が重要となります。
次の写真は小児超音波検査での正常な肘関節と早期野球肘の比較です。
正常な肘では骨(上腕骨遠位)の表面を覆う関節軟骨と関節包は接しているのに対し、早期野球肘は関節軟骨と関節包の間に水腫がみられます。
正常 早期野球肘
進行した野球肘で問題になるのは、上腕骨小頭部に生じる離断性骨軟骨炎です。超音波画像では軟骨下骨の不正像が特徴的です。手術が必要になることがあるので注意が必要です。
正常 離断性骨軟骨炎
このように超音波検査はレントゲンに映らないさまざまな情報を与えてくれます。早期に異常をみつけ、野球肘を防止したいと考えています。
長時間狭い場所で下肢を動かさないことで、下肢の静脈に血の塊が生じることがあります。下肢の腫れ・痛みを生じます。時に、この血の塊が血流に乗って肺の血管を詰まらせることがあります。重症化することがあり、注意が必要です。この病気の発見にも超音波検査が有効です。
診断がついたら、血の塊を溶解する治療が必要です。
1.肩関節授動術
肩関節を挙上できない状態を”拘縮肩”といいます。この治療として当院では、超音波画像で確認しながら頸部で”腕神経ブロック注射”を行い、肩関節の痛みを軽減してから、拘縮した肩関節をゆっくり動かして可動域を改善する”授動術”を行っています。
頸部の腕神経の超音波画像を示します。超音波画像を見ながらブロック注射を行うため、より安全に治療ができます。
ブロック注射前 注射針を確認しながら神経まで刺入
2.仙腸関節ブロック
腰に負担がかかると臀部に痛みが生じる”仙腸関節炎”が生じることがあります。痛みを軽減させるため、この仙腸関節にブロック注射を行いますが、この場所は体表から深く、仙骨と腸骨が重なりあっているため手技が難しいです。超音波画像を確認しなら注射をすると、より安全で確実な治療になります。
レントゲン 超音波:臀部から針を刺入し、仙腸関節に注射
3.筋膜リリース
筋肉や腱が周囲と癒着して固くなった病態で痛みが強いときに局所注射(麻酔液・ステロイド液・生理食塩水を使用)して癒着した場所を剥離し痛みを軽減させる治療です。
①テニス肘(上腕 骨外側上か炎)
伸筋群の炎症像を示す(カラー色部)
伸筋群と骨の間に注射し薬液で満たし筋肉リリースした画像
②肩こり
注射前の画像では僧帽筋と肩甲挙筋が接している
上記の筋肉間に注射して筋膜をリリースした画像
筋膜リリースは上記以外の筋・腱疾患にも適応があります。
今までに筋筋膜性腰痛、アキレス腱周囲炎、膝鵞足炎、ジャンパー膝などに行い、従来の治療法で効果が少ないときに筋膜リリースを行っています。
今後も適応となる疾患を広げて筋膜リリースの治療を行っていきたいと考えています。