お知らせ
■2021年 2月 17日 新型コロナウイルスワクチンを迷っているあなたへ
4月から65歳以上の高齢者を対象に新型コロナワクチンの無料接種が開始予定です。このワクチンについては様々な報道があり、漠然と不安を感じておられる方が多いと思いますので、参考になればと思いこの文章を作成しました。
まずは今回使用されるファイザー社製ワクチンの有用性ですが、これは非常に高く95%の発症予防効果が期待できます。ちなみにインフルエンザワクチンは50%程度ですから相当よく効くと言えるでしょう。発症予防だけでなく重症化を予防することもかなり期待できそうです。ただしワクチンの効果がいつまで持続するかについてはまだ明らかではありません。
次に副反応についてですが、これまで使用された海外のデータからはこのワクチンの安全性に大きな問題は認められていません。最も重大なアナフィラキシーという強いアレルギー反応は20万人に1人程度とごく稀です。またメッセンジャーRNAという遺伝情報を体内に接種してもそれによって人間の遺伝子の情報に変化が加わることもありません。
しかし、軽微なものも含めるとほとんどの人に何らかの副反応は起こるでしょう。最も頻度が高いものは注射した部位の痛みです。6~9割の人が痛みを訴え、特に接種後12~24時間は痛みが顕著なようです。またワクチンを注射した部位はしばらく赤く腫れ、しこりができることがあります。だるさや頭痛も一般的な副反応ですが、高熱が出ることは多くはないようです。これらの副反応は元気な方なら通常数日以内に消失し、解熱薬にも反応します。しかし極端に衰弱した高齢者では副反応から体調を崩す場合があり、より慎重に考えたほうがよいでしょう。
ワクチン接種をするかどうかはメリットとデメリットを天秤にかけて個人個人の判断に委ねられることになりますが、主治医としては普段から自分の足で通院されている元気な高齢者のみなさんには、高い発症予防効果があるこのワクチンをなるべく広く接種して頂きたいと思っています。