食事療法は、運動療法・薬物療法とともに糖尿病治療の3本柱の一つです。
なかでも 食事療法は糖尿病治療の土台であり、インスリン注射をしている人でも飲み薬を服用している人でも、必ず行う必要があります。というのも、薬の量は食事療法 がおろそかになると薬の効き目が強く出たり弱かったりと、血糖値が安定しなくなります。薬の効果を維持するためにも、きちんと食事療法を続けましょう。
患者さんの中には食事療法と聞くだけで難しく考える人がいます。
しかし、糖尿病の食事療法では食べてはいけない食品はありません。
そして、人間は日々生理的に食欲や空腹を感じ、自然に食物を運び摂取しています。
その様に考えれば食事療法といっても、日頃の食物の選び方をほんの少し変えるだけでできることです。
しかも、糖尿病の食事はバランスのとれた食事でもあり、糖尿病ではないご家族の方の健康を維持するのにも役立つ健康長寿食でもあるのです。
食事を摂る時や献立を考えるときに注意したいポイントは10点
ポイント1:栄養のバランスについて考える
タンパク質・糖質・脂質・ビタミン・ミネラルなどの栄養を全て満たす食品はないので多くの種類の食品を摂ること
ポイント2:主食+主菜+副菜というバランスの良い献立を立てる
主食(ごはん・麺・パン)
主菜(魚・肉・大豆・卵などのタンパク質)
副菜(野菜・海藻・きのこ)
ポイント3:朝食・昼食・夕食を平均的に食べ、一度にたくさん食べない
ポイント4:食事療法に慣れないうちは主食を必ず計量、食べて良い量を守る
ポイント5:主菜の摂り過ぎに注意する
タンパク質の過剰摂取を避け適量を守る
ポイント6:副菜を意識してたくさん食べる
ポイント7:夕食後の牛乳と果物は控える
ポイント8:揚げ物・炒め物などの油を多用した料理は夕食時を避け、朝食・昼食の1食につき1品までとする
ポイント9:お菓子は血糖値が高いうちは避ける
ポイント10:アルコールは食欲が亢進し食べすぎるため、飲酒量はもちろん飲酒する機会を減らす